![]()
お細工物は、明治から大正にかけて、女性たちの間で流行した手遊びです
その一部は女学校の教本に原型を見ることが出来ますが、ほとんどは名も無き人々によって創作されたもの。それなのに、紫や萌葱、浅葱など、驚くような配色で作られたそれらお細工物は、どこかモダンで、今の私たちが見ても新鮮さを失っていません。
一言でお細工物と言っても、その技法には押し絵や摘み細工(薄絹を三角に折って花びらのようなものをつくり、張り合わせて模様にする技法)、裁縫などがあげられますが、いずれも今ならためらいなく捨ててしまいそうな小さい残り裂まで、余すことなくいかして使われているのが特徴です。
ちりめんがとても高価で貴重だった頃の、ちりめんを愛おしむ気持ちのあらわれなのでしょうか。手間ひまかかるその手しごとに、人の心にも時の流れにもゆとりがあった時代を彷彿させます。
(参考文献:マリア書房・創作市場別冊2)
お細工もののお手入れについて、ひとこと
絹は、汚れがつきにくいといわれています。
化繊と違い、静電気が起きないので、汚れが吸着しないためです。
ものが良いちりめんは、めったに洗うことはありません。
日本の風土で生まれたちりめん、原材料の「蚕(かいこ)」が食べていた「桑」の葉も、今と昔では違うはずです。
古い布ほど、自然の恵みを多くうけていると言えるかもしれません。化学物質が氾濫(はんらん)している現代とは、布がつくられた背景がずいぶん異なりますね。
![]()